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好きなときに好きなジャンルを書き綴る、よろずサイト 現在はギアス中毒者。
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注意:パラレルです。
   孤高の王と魔女の会話。
   シリアス風味。


それでもよろしければどうぞ







【世界の果てに】



 


荒廃した土地を感情の宿らない瞳で見つめた後、男は踵を返し歩き始めた。
「行くのか?」
立ちはだかるように男の前に立ち、足を止めた。
若草色の髪の女だ。
「ああ。私の出来ることはすでに終わっている」
だから去るのだと言い、男は女の横を通り抜けようとした。
「そうだな。だが、お前は本当にこれいいのか?お前が望んだのはもっと違った結果だろう?」
「だが、私の手はすでにはなれ、人間に託された。その意味が分からぬお前でもないだろう?」
「…ッ」
男は首を静かに横に振り、もう終わったことだという。
誰よりも自分に託された運命は知っていた。
「だが、幾ばくかであるが人間は生き残った。これが結果だ。…未来は生き残った人間に託す」
もう言うことはないと、今度こそ、横切る。
だがそれを引き止めるようにして、女は肩を掴み、留めた。
「まだ、何かあるのか?」
「…お前はここを去ったらどこへ行くつもりだ?…王よ」
「それを私に問うか?魔女よ。行っただろう、私に出来ることは終わったと」
「お前は本当にこいつらをこのままここへと残すのか?どういうことになるかと分かっていながら」
「それが、人間の選んだ道だ。私がとやかくいうのは間違いだろう?」
何を言ったところで、この男はすでに道を決めてしまった。
そして、女はそれを止める術を持ち合わせてはいない。
ゆるゆると肩をはなし、女は下を向く。
「そんな顔、お前には似合わないぞ。魔女よ。どこまでも厚顔不遜が、お前だろう?」
「…それは褒めているのか?」
「ああ。私としては特大の褒め言葉だ。私には真似できないことだからな」
微苦笑しながら、男は言った。
「今生で私が出来ることなど高が知れている。だからこそ私は次にかける。どれだけかかってもいい。それが人間の中に生まれし私の性だ」
この男は私の知らないところへ行こうとしている。
それだけは分かるのに、わたしにはそれを止める術がない。
ならば、私は追いかけざるを得ないではないか。
「人間の中に生き、人間とは違う時を生きる王よ。ならば、私はお前と今度会うことがあったらお前の傍にいよう」
「…ほう」
「お前は、どこまでも孤独だ。そしていつも人間に期待し、託し、裏切られ、そして最後は信じる。そんな生き方だ。ならば、私はそんなお前を支えよう」
「お前が、か?魔女よ。別次元で生きることを余儀なくされた魔女よ。お前が私の傍にいる…か?」
「私のこれは契約だ。分かっているはずだ、王よ。お前はどこまでも優しい。だからこそ、裏切られる。お前の気持ちを汲むものは決して人間ではありえない」
ならば、私がそれになろう。
「お前が今まで人間達を近くで見ていたように、私がお前を見ていよう」
魔女をどこまでも深いアメジストが覗いた。
どこか計る様な目だったが、それは細められ、声を上げて笑った。
「そうか、魔女よ。それがお前が行く道か…」
「ああ」
「わかった。何も言わない。…私が行く道に同行は不要だというのに」
「私は好きで着いていくのだ、気にするな。王よ」
どこか嬉しそうに笑い、男は今度こそ黒いマントを靡かせ、ここを離れる。

 

 

残されるは、荒廃されつくされた土地。
細々と生きる人々。
見送る女。

 

 

王が夢見ていたのはどこまでも、優しい、光の届く世界…―――。




*******************************

続きません(爆)
人間を監視し、導くために神により地上に召された王と地上で神により力を与えられ、不死の体になった魔女の話。
設定言わないと分からない、残念駄文。
 

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プロフィール
HN:
緋沙羅
性別:
女性
自己紹介:
現在、ギアス中毒。
遙かの敦盛を救いたいがためにいつの間にやらネオロマンサー。
友人曰く、可愛そうなキャラが好きらしい。
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